李登輝元総統の講義、台湾大学学生との交流会など台湾を学ぶ絶好のチャンス!

台湾は日本にもっとも近い隣の国である。自然は豊かで人情も厚い国である。かつて日本はこの国を50年にわたって統治した。第二次世界大戦終結後、中国大陸における国共内戦に敗れた蒋介石が率いる国民党が日本に代わってこの島に進駐・統治した。

1980年代末、李登輝総統(当時)の時代から民主化を達成し、台湾の人々は史上初めて自らの選んだ指導者と政府を手に入れた。しかし、中国共産党政権は今なお、この島は中国の一部であると主張し、台湾海峡の対岸に多数のミサイルを配備して、武力併合政策を放棄していない。

台湾海峡有事の際は台・中両国のみならず、日本や朝鮮半島を含む東アジアのパワーバランスに大きな影響が及ぶことは言うまでもない。台湾の安全は日本の安全と不可分である。したがって我々はもっとこの島国が置かれた状況、歴史的背景ないし、人々の風俗・人情等について正しい知識をもつことが必要である。

この度、日本李登輝友の会、群策会教育処のご協力を得て、日本の大学生を対象とする台湾への研修旅行を企画した。この研修中、台湾の著名大学の教授等によるセミナー、台湾の大学生たちとの交流、日本語世代の人々との交流、原住民の人々との交流等、多彩なプログラムが予定されている。この機会に一人でも多くの若い世代の諸君がこの研修旅行に参加して自分の目と耳で台湾の実情に触れて、この隣国に対する理解を深めてもらうよう希望する。

慶應義塾大学総合政策学部教授 野村亨


【主な研修内容】

◆台湾大学日本語学科の学生との交流会

20081120-01国立台湾大学の前身は、日本時代に設立された台北帝国大学。台湾最難関の大学として、多くのエリートを輩出する台大の日本語学科の学生との交流を通し、両国の同世代の学生が何を考えているのか、お互いの意見交換を予定している。

◆李登輝先生 特別講義(元台湾総統、農業経済学者)
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1923年生まれ。日本統治下の台湾に育つ。旧台北高等学校を卒業後、1943年、京都帝国大学農学部へ進学、農業経済学を学ぶ。この間マルクス主義の影響を受けるも学徒出陣として徴兵され、名古屋で終戦を迎える。国民党統治下となった台湾に戻り、国立台湾大学農学部に編入、卒業後同大の助手となる。1952年に米国アイオワ州立大学留学、修士号取得、1965年、再び米国に留学し、コーネル大学で博士号取得。1971年、農業専門家として当時の蒋経国総統の知遇を得て政界に進出した。1984年副総統に指名され、1988年、蒋経国総統の急逝により、総統代行となり、ついで1990年から2000年まで2期10年にわたり台湾総統として台湾の民主化と政治改革に取り組む。総統引退後も台湾の独立と民主主義を擁護する立場を堅持して、台湾独立運動の精神的指導者と目されている。85歳の現在もなお積極的に発言し、台湾の民主化と台湾人のアイデンティティーの確立のために邁進する李登輝先生は現代アジアを代表する賢人と言っても過言ではない。将来の日本を背負って立つ若い世代の人々にとって、今回李登輝先生のご講演を聴く機会を得ることは必ずや彼らの将来にとって大きな精神的財産となるであろう。

◆許世楷先生(前駐日代表・津田塾大学名誉教授) 「日台関係の過去・現在・将来」
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1934年生まれ。1957年に国立台湾大学卒業後、日本に留学、早大、東大で学ぶ。勉学研究のかたわら台湾独立運動に挺身し、国民党政府から在外反政府分子としてブラックリストに載せられ、約30年にわたり日本で亡命生活を送る。その間津田塾大学教授として教鞭を執る。1992年、台湾民主化の進展に伴い、ブラックリストが解除され帰国。2004年より2008年まで台湾の駐日大使に相当する台北駐日経済文化代表処代表として東京に駐在。その間、台湾人観光客の訪日ビザ免除を日本政府に働きかけ、その努力が実って、2005年8月に日本の国会で特例法案が通過し、台湾人観光客に対するビザ免除の恒久化が実現したことは許氏の外交手腕によるところが大きいと日台関係者から高く評価されている。日台関係の過去も現在も、そして裏も表も知り尽くした許先生のご講演は必ずや日台関係に関心を持つ多くの若者にとって貴重な勉強の機会となるであろう。

◆マサ・トフォイ先生(タイヤル族民族議会議長) 「タイヤル族と日本」/野外研修(烏来)
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台北市内から車で1時間ほどの山裾に広がる烏来は、原住民(タイヤル族)が多く生活を営む地域として知られている。烏来には温泉もあり、古くから観光地として日本人にも親しまれてきた。
日本語世代であり流暢な日本語を話すマサ先生には、タイヤル族と日本が共有した歴史と、その意義について講義していただく予定である。

◆自由行動1
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1990年代から急速な発展を遂げた台湾。首都である台北の街並みは、東京とほとんど変わらない。その一方、どこか懐かしい街風景や日本時代の名残を感じさせる建造物もあちこちに残り、中にはレストランやカフェなどに生まれ変わっているものもある。
そんな台北の街並みを観察しながら歩いてみると何か発見があるかもしれない。

◆自由行動2
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台湾は美食の宝庫。国立台湾大学キャンパスの近くにも毎晩、夜市と呼ばれる、お祭りの縁日のような屋台街がいくつも出現する。さあ、交流会で仲良くなった台湾の学生たちと、夜市探検に出掛けよう。


◆その他の予定
日本語世代の方々と交流。日本統治時代の建設等の史跡見学。

【日程】(講師の都合等で予定は変更になる場合があります)

【11月20日】 成田空港発  09時40分(チャイナエアラインCI107便)
台湾桃園国際空港着  12時30分予定
バスで台北市内へ移動、許世楷先生の講義を聴く。夜、台湾大学の学生と合流。

【11月21日】 李登輝先生の講義を聴く。日本語世代の方々と交流。

【11月22日】 自由行動

【11月23日】 野外研修 専用バスで烏来(ウライ)へ移動
13:30 バスで台北桃園国際空港へ移動
チャイナエアラインCI106便で帰国 16時50分発
成田空港 20時45分到着予定、そのまま解散

【定員】 15名 (定員に満たない場合は催行を中止する)

【申込締切】 10月28日(火)(定員になり次第、締め切らせていただきます)

【参加費】90,000円
※往復の航空券代、空港利用税や燃料特別税、朝食付きホテル代、現地チャーターバス代を含む2名1室利用時のお1人の料金

【申し込み方法】
1、必要事項を記入の上、お申込みください。必要書類を郵送でお送りいたします。

2、お申し込みと同時にパスポートのコピーを下記あてにFAX願います。
<日本李登輝友の会事務局 FAX番号03-5211-8810>

【お問い合わせ先】
慶応義塾大学SFC・野村亨
大学電話番号(代表)0466-47-5111
メールアドレス nomura@sfc.keio.ac.jp