20080502本書は台湾でのベストセラー『宮前町九十番地』(時報出版)の日本語版である。

著者は日本統治下の、そして植民地からの「解放」後の台湾、戦後の香港、東京などで育った。その後、台湾政府の広報官となり、多くの歴史的にも重要な出来事に遭遇し、持ち前の行動力で、台湾を広く国際社会、とりわけ日本に知らしめる。それは台湾への架け橋をつなぐ友好事業のようでもあり、まるで情報戦のようでもある。

稀有な経験に裏打ちされた著者の証言は、自らの人生をいかに切り開いていくかという示唆に富んだものになっており、また日本社会、東アジアの近現代史の一面を映し出している。

「国際広報官・張超英 台北・宮前町九十番地を出て」 張超英 まどか出版