20060518蒋経国から総統の座を引き継いで台湾の民主化をすすめたカリスマ指導者が、84年の副総統就任から88年の総統就任へといたる激動の4年半を、当時克明に執筆していたメモをもとに、独裁から民主に道をたどった台湾政治の裏側と李登輝前総統自身の信念を物語る貴重な歴史証言書。台湾では第一級史料になっている。

メモはなぜかSONYのノートに取られ、実物が随所に写真で挿入されているほか、若き日の李登輝副総統のパラグアイ訪問、南アフリカのボタ大統領との会見など、貴重な写真が納められている。副総統時代に日本に立ち寄った際、本書の監訳者・中嶋嶺雄氏と会見した写真もある。

2004年に台湾で出版され大きな反響をよんだ本書(原題は『見證台灣 蒋經國總統與我』国史舘出版)を中国専門家の渋谷司、山本秀也、清水麗ら6人が翻訳し、中嶋嶺雄氏が監訳。扶桑社から刊行。

■ 李登輝 著
■ 中嶋嶺雄 監訳
『李登輝実録-台湾民主化への蒋経国との対話』
■ 四六判、上製、428ページ
■ 産経新聞社発行 扶桑社発売
■ 定価 3,000円(税込)