李登輝前総統、初の米首都訪問 公文書館など見学

台湾の李登輝前総統が17日、ワシントンを訪れた。李氏の米首都訪問は1988年の総統就任以降、初めて。中国政府は「独立派の代表」(同政府)と非難する李氏の訪米を受け入れたとして米政府に「強い不満と反対」を伝えており、首都訪問でさらに反発を強めるのは必至だ。

李氏は到着後、記者団に「一人の民間人として来ているのだから、どこかの国が文句を言うのはおかしい」と、暗に中国を批判した。李氏は、ワシントン訪問を「民主主義と相互理解の旅」と位置付け、米独立宣言や合衆国憲法などの歴史資料を所蔵している公文書館などを見学した。

19日に米議会の一室で、親台湾の米議員組織「台湾議員連盟」メンバーらが参加するレセプションで演説する予定。20日には、外国メディアの多くが拠点を置くナショナル・プレスクラブで記者会見する。

李氏は12年間の総統在任時代、米政府が中国からの抗議にさらされることに配慮しワシントン訪問を自粛してきただけに「悲願の達成」(在米台湾関係者)となった。

李氏は11日にアンカレジに到着。ニューヨークを経由して首都入りし、20日に最終訪問地のロサンゼルスに向かう。