11月13日、熊本県教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結しました。
互いの伝統・文化・歴史・産業の特色を取り入れ、オンラインを含めた児童生徒の交流を促進する。教職員同士も教育の質を高め合い、国際社会に羽ばたく人材育成を目的にしているそうで、台北市で行われた締結式には、熊本県教委からは越猪浩樹(おおい・ひろき)教育長、台北市教育局からは湯志民・局長が臨んだそうです。
ちなみに、熊本県菊池市出身の越猪教育長は本年4月に熊本県教育長に就任していますが、それまで宇土高等学校長や熊本高等学校長などを務め、県教委では高校教育課長や教育指導局長を務めてきたそうです。
熊本大学時代は国民文化研究会の合宿にも参加したことがあり、熊本高等学校長には台湾への修学旅行を実施しようと決めましたが、コロナで中止になったそうです。郷土への思いは深く、熊本県出身の六士先生の一人、平井数馬命にも関心を寄せていると仄聞しています。
ちなみに、日台間の教育委員会同士の提携は、2014年5月に広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結したのが最初で、今回の提携で15件となっています。
なお、本会メールマガジン『日台共栄』8月11日号で、本年8月4日に八王子市教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力についての覚書」を締結したことを紹介した際にこれまでの提携数を12件とお伝えしましたが、掲載後、2024年3月29日の宮城県教育委員会と台北市教育局、2024年11月5日の愛媛県教育委員会と台北市教育局が提携していたことを知り、今回、訂正します。
◆日本と台湾の教育提携(日本李登輝友の会調べ)
1)2014年05月22日 広島県教育委員会と桃園県教育局が「教育協定」を締結。
2)2015年09月07日 徳島県教育委員会と新竹市教育処が「教育交流協定」を締結。
3)2016年12月19日 東京都教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
4)2016年12月20日 東京都教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
5)2018年09月13日 長野県教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
6)2021年08月31日 青森県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。
7)2024年01月17日 大分県教育委員会と台北市教育局が「教育覚書(MOU)」を締結。
8)2024年03月29日 宮城県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する了解覚書」を締結。
9)2024年09月10日 河口湖南中学校組合教育委員会と高雄市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
10)2024年11月05日 愛媛県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力覚書」を締結。
11)2025年02月21日 大分県教育委員会と新北市教育局が「教育覚書」を締結。
12)2025年03月18日 長野県教育委員会と台北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
13)2025年03月19日 長野県教育委員会と新北市教育局が「教育交流協力に関する覚書」を締結。
14)2025年08月04日 八王子市教育委員会と高雄市教育局が「教育交流協力についての覚書」を締結。
15)2025年11月13日、熊本県教育委員会と台北市教育局が「教育交流に関する覚書」を締結。
【熊本日日新聞:2025年11月20日】
熊本県教育委員会は13日、国際社会に羽ばたく人材育成を目的に、台湾・台北市政府教育局と教育交流に関する覚書を締結した。
覚書によると、互いの伝統・文化・歴史・産業の特色を取り入れ、オンラインを含めた児童生徒の交流を促進する。教職員同士も教育の質を高め合う。
台北市では1895年、松橋村(現・宇城市)出身の教育者・平井数馬ら教師6人が台湾で最初の日本語学校「芝山巌[しざんがん]学堂」を開校。台湾の近代教育の礎を築いたとされる。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出で熊本と台湾の関係が深まる中、台北市側から覚書締結の打診があったという。
台北市で締結式に出席した越猪浩樹教育長は「台湾の政治・経済・文化の中心である台北市の教育局と連携し、青少年や教職員の交流がさらに活発となることを期待している」とコメントした。(後藤幸樹)
