9月30日発売の「SAPIO」(10月21日号、500円)で、小林よしのり氏がゴーマニズム宣言 新台湾論─李登輝元総統との再会」と題して、李元総統との対談を掲載している。
この対談は、9月4日から来日されていた李元総統が東京、高知、熊本を訪問された際、帰台前日の9月9日、熊本の益城カントリークラブのクラブハウスで行われたものだ。
冒頭、小林氏が李元総統と会ったのは『台湾論』騒動で入境禁止になってから9年ぶりの再会だったという。昼食を交えて2時間ほど話し合った内容を伝えている。
台湾の現状や日本の民主党政権について、馬英九政権や台風8号(モーラコット)、東アジア共同体、台湾海峡のあり方などを巡って縦横無尽に語り合っている。「李登輝学校」の再現だ。特にアイデンティティや愛国心を巡っては、李元総統から「馬英九さんは国家目標がわからない」という発言を引き出している。
小林氏は9月5日に東京青年会議所が主催した東京講演を「観客に交じって」聞いたという。李元総統からその感想を聞かれ、「首相は、強いリーダーシップを持たせるために、米国や台湾のように国民の直接選挙で選出すべき」という提言については「答えにくかった」と正直に記している。なぜ答えにくかったのか、その理由についても明かしている。
司馬遼太郎の『台湾紀行』の再来と言われた小林氏の『台湾論』が出版されたのは2000年(平成12年)10月。台湾でも翌年2月に出版されて台湾を二分するほどの大騒動となり、小林氏は入境禁止となった。あれから9年、小林氏は李元総統と再会しての対談を『新台湾論』として発表した。「SAPIO」対談は次号に続く。楽しみである。